
株式会社カツシカ 総務部 事業統括課 小島 文武様
以前、サンエーの太陽光発電を導入いただいたカツシカ様。
今回は、ものづくりの現場から考えるSDGsについてお話を伺いました。
製造工程での省エネや廃棄物削減、環境負荷の低減につながる製品開発など、日々のものづくりの中で進める環境への取り組み。
その背景にある思いや、現場で感じる課題、これからの挑戦についても伺いました。
カツシカ様の事業内容や太陽光の導入事例については、以前の記事をご覧ください。
▽『株式会社カツシカ』専門性を磨き続ける化粧品容器メーカーが選んだ“これからの電力対策
ものづくりを通じて、持続可能な未来へ。カツシカが取り組むSDGs

弊社はアルミを主な材料として化粧品容器を製造しています。
プレス加工、アルマイト、組み立てまで一貫して生産を行っています。
ものづくりを通じて社会に貢献する企業として、将来にわたって持続可能な事業活動を続けていくためには、環境への配慮は欠かせないものだと考えております。
脱炭素や環境負荷低減については、一つ一つの取り組みを積み重ねていくことが大切だと考えています。
製造工程における電力や資源の使用量削減、材料や廃棄物の削減・有効活用、省エネルギー化など、私たちの事業活動の中でできることから着実に取り組んでいきたいと考えております。
一人ひとりの環境意識を育む、エコ検定
社員一人ひとりが環境について正しい知識を身につけて、日々の仕事や生活の中で環境を意識して行動することを目的としています。
エコ検定をきっかけとして、環境問題を自分たちの身近な問題として捉えられる社員が増えれば、製造現場での省エネや廃棄物削減など、日々の小さな活動にもつながっていけるのではないかと考えております。
『3.すべての人に健康と福祉を』 CO₂排出量削減に対する取り組み
当社では、アルミ製の化粧品容器を製造する中で、プレス加エやアルマイト処理、組み立てなど、多くの工程で電力を使用しています。
そのため、製造活動における電気使用量を削減することが、CO2排出量の大きな削減につながると考えています。
具体的には、製造設備や照明などの電力使用量削減、省エネルギー設備への切り替え、設備の効率的な運用など、日々の生産活動の中でできることから取り組んでいます。
CO₂排出量削減を減らすための工夫
身近な節電としては、昔からやっていることではありますが、電気については不要な照明を消す、例えば昼休みには事務所の電気を消すといったことを行っています。
あとは、デマンド制御装置があります。
電力使用量をリアルタイムで監視し、目標値を超えそうなときに一部のエアコンをオフにして最大需要電力を抑えています。
また自動的に一時間のうち15%くらいを送風運転に切り替わるようにして節電を行っています。
省エネと生産性を両立するための工夫
あまり「省エネ、省エネ」とやってしまうと、生産性や品質に影響が出てしまいます。
そのため、設備の稼働方法を見直したり、無駄な電力を減らしたりするなど、小さな改善を積み重ねることが、製造現場への負担を抑えながら環境負荷の低減につながるのではないかと思っています。
また、CO₂削減というと電気が思い浮かびますが、LEDへの切り替えだけでは当たり前すぎますよね。
最近は、あまり「何をやっているのか」と聞かれると困ってしまうのですが、太陽光パネルはもちろん設置して、取り組んでいます。
これから考えていることとしては、遮熱などもあると思います。
まだ太陽光パネルの枚数が少ないので、そこを増やしていけたらと思っています。
省エネだけではなく、設備の効率的な運用や材料ロスの削減など、環境への取り組みが生産性やコスト削減にもつながっているのだという意識が、社内に広がったのではないかと思います。
中庭に花を!社員みんなで取り組む緑化活動
中庭などにプランターを設置して花を植えるなど、緑化活動に取り組んでいます。
定期的にみんなで手入れをするなど、継続して取り組んでいます。

『6. 安全な水とトイレを世界中に』 節水への取り組み
この工場(本社)では生産で水をあまり使わず、生活用水やトイレなどが中心なので、節水にはあまり取り組めないのですが、
埼玉の方の工場では、アルマイトという表面処理の工程があり、そこは大量に水槽に水を溜めて、製品を洗浄したりするため、結構水を使います。
そのため、埼玉の方の工場の方が水に対してはいろいろ力を入れております。
工程ごとの水の使用状況を確認したり、必要以上に水を使用しないように、いろいろ工夫しています。
あとは、日々、漏水していないかのチェックをしたり、漏水していたらすぐに対応できるような体制を整えております。
節水に向けた現場での工夫
節水についても先ほどの電気と同じで、「省エネ、省エネ」とやってしまうと、品質にも影響が出てしまいます。
水も同じで、あまり水を減らしてしまったら、生産もできなくなってしまいます。
そのため、その辺の節水と生産性のバランスを考えながらやっていくのが、かなり難しいかなと思います。
第一に品質を担保して、その上でSDGsをしながら利益を出していかなければならないので難しいですよね。
生産ラインを止めないこと、品質を落とさないことが一番重要です。
社員一人ひとりが意識する節水
日頃から、節水という意識け、社員一人ひとりが持っています。
エコアクションを始めてから、そういう意識は本当に高まったと思います。
簡単な 節水方法としては、手洗い場の蛇口は以前はひねって水を出すタイプだったのですが、プッシュ式に交換して一定量の水が出たら自動で止まるようにしています。

『12. つくる責任 つかう責任』 廃棄物削減への取り組み
製造工程で発生する材料ロスやアルミのスクラップ、不良品、梱包材などの削減に取り組んでいます。
特にプレス加工では、製品形状によって一定の材料ロスが発生してしまうのですが、材料をできるだけ無駄なく使用することを重要な課題として捉えています。
廃棄物削減における課題と工夫
廃棄物削減に関しても、廃棄物を単純に減らすことだけを優先してしまうと、製品の品質や生産性に影響が出る可能性があります。
例えば、不良が発生した際には、そのまま廃棄するのではなく、不良の発生原因をきちんと確認して、設備条件や作業方法などを見直すことで、同じ不良を繰り返さないように努力しています。
1回の失敗を、また2回、3回と繰り返さないことで、廃棄物を減らすという感じです。
廃棄物を減らすことは、環境負荷の低減だけではなく、材料費や処理コストの削減にもつながっているので、いいことだなと思います。
環境負荷低減につながる製品開発
弊社の場合ですと、口紅容器をメインで作っていますが、主力の製品はアルミパーツとプラスチックパーツで構成されています。
ただ、このアルミとプラスチックの容器だと、そのままリサイクルできないので、廃棄する形になってしまいます。
そこで、最近ではリサイクルが出来るように全てのパーツをアルミで作った単一素材の口紅容器を開発し、
現在は量産可能状態まで来ています。
しかし、アルミ単体で作ればリサイクル性が高くて良いのですが、製造コストが高くなってしまいます。
口紅容器もコスト競争が激しいので、せっかく環境に良いものを作っても高くてはお客さんが買ってくれません。
高くても付加価値をアピールしてお客さんをいかに振り向かせるかが課題ですね。

持続可能なものづくりに向けて、さらにできること
難しいですが、どこまで脱炭素を実現できるかということは考えています。
今は、お客様から「CO2の排出量を提出してください」と言われることが増えているので、システムを導入し、CO2排出量を把握する取り組みを進めています。
システムで会社全体のCO2排出量を管理し、電気やガソリンはもちろん、外注先での生産分や廃棄物などありとあらゆるデータを使用して排出量を算出します。
例えば、オンラインで事務用品等を購入した際の輸送過程で発生するCO2なども含めて、排出量を算出しています。
当初はお客様から頼まれて仕方なく算出していましたが、今は「こういう計算結果だから、今後CO2をどうしたら減らしていけるのか」ということを考えながら、
脱炭素を目指していけたらと思っています。
言われているからやるのではなく、自ら考えて行動し、CO2を減らしていく。そうした取り組みができたら良いと思っています。
これから始める、新たな取り組みと挑戦
アルミ単体の口紅容器をこれから推していきたいところなのですが、やはりコスト面でなかなかお客様の反応がよくありません。
お客様は環境に良いものを求めているのですが、場合によっては価格が倍ぐらいになるため、コストが高いと買ってもらえない、そのジレンマがあります。
消費者目線からすると、安くて今まで通りのものと、環境へ配慮されているが価格が高いもののどちらを選ぶか、ということになりますよね。
いくら環境に良いものであっても、価格が倍くらいになれば、やはり安い方を選んでしまう。
そこに、環境とコストの両立という課題があります。
持続可能な未来に向けて、カツシカが目指すもの
カツシカの企業理念になりますが、
「カツシカは優れた技術と人材で、【海外拠点ネットワーク】を活かした【ものづくり】を通じて、関わる全ての人々の豊かな生活を実現します。」
というものです。
「関わるすべての人々の豊かな生活を実現します」というところに、全部集約されるのかなと思っています。
化粧品容器づくりを通じて、いろんな人を幸せにして、それで従業員も、その化粧品を作っている人、使っている人たちも、全員が豊かになれたらいいなということを、金社方針として掲げています。

ご協力いただきありがとうございました。
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