電気料金の内訳
電気料金の主な要素は「基本料金」「電力量料金」「燃料費調整額」「再生可能エネルギー発電促進賦課金」「割引」の5つです。これらを合計したうえで割引を適用すると、当月の電気料金が決定します。
基本料金
基本料金とは、契約プランやアンペア数に応じて設定される固定料金のことです。使用量に関わらず支払うもので、契約容量が大きいほど料金も上がります。電力会社によっては「最低料金」として表記されることもあります。
「燃料費調整額」と「再エネ賦課金」については後ほど詳しく説明します。
電力量料金
電力量料金とは、実際に使用した電力量に応じて支払う金額のことです。計算式は以下の通りです。
1ヶ月の使用量 × 電力量料金単価(円/kWh)
多くの電力会社では「3段階料金制度」を採用しており、使用量が増えると単価も上がります。
例として、東京電力エナジーパートナーの「従量電灯B」では、
- 第1段階(120kWhまで):19.88円/kWh
- 第2段階(120〜300kWh):26.48円/kWh
- 第3段階(300kWh超):30.57円/kWh
再エネ賦課金の上昇

「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」とは、再生可能エネルギーで発電された電力を電力会社が買い取る際の費用を、国民全体で負担する仕組みです。
この制度により、再エネの普及が進む一方で、毎年の単価上昇が家計を圧迫しています。
たとえば年間消費電力量が110,000kWhの場合、対策を講じなければ年間で約36万円の負担増となります。
燃料調整単価の上昇

燃料調整費とは、発電に使用する燃料価格の変動を電気料金に反映する仕組みです。過去3カ月間の燃料価格平均が、2カ月後の電気料金に反映されます。
ウクライナ情勢の影響などにより、輸入コストが大幅に上昇し、燃料調整単価も高止まりしています。
今後は「市場価格調整項」の導入により、日本卸電力取引所(JEPX)の価格を反映した変動制になる予定です。

東電の特別高圧・高圧料金の見直し
東京電力エナジーパートナーでは、2022年9月に高圧・特別高圧料金の大幅な見直しを行いました。燃料費調整単価は高圧で6.27円/kWh、特別高圧で6.19円/kWhと高水準です。
見直し後の料金単価は少なくとも6円以上の値上がりとなる見込みです。

(参考:東京電力エナジーパートナー株式会社 プレスリリース)
燃料費調整単価や再エネ賦課金を加えると、実際の電気代はさらに高くなります。
家庭向け規制料金の値上げ申請
さらに、東電は家庭向け「規制料金プラン」の値上げも申請しています。平均で約29.3%の引き上げを予定しており、認可されれば2012年以来の大幅改定となります。
値上げ実施は2023年6月頃を目指すとしています。