【2026年最新】遮熱シートに使える補助金は?工場・倉庫向け制度を東京都・神奈川県・千葉県・静岡で調査

夏場の工場や倉庫では、屋根から伝わる熱によって室温が上昇し、従業員の熱中症リスクや空調費の増加につながることがあります。
こうした暑さ対策の一つとして注目されているのが、屋根や建物に施工する「遮熱シート」です。
しかし、工場や倉庫は施工面積が大きくなりやすく、
「遮熱シートを導入したいけれど、費用負担が気になる」
「省エネ設備の補助金は遮熱シートにも使えるの?」
と考えている企業も多いのではないでしょうか。
実は自治体によっては、遮熱シートや遮熱工事を補助対象としている制度があります。
そこで今回は、2026年10月3日時点で確認できる制度の中から、東京都・神奈川県・千葉県・東海エリアを中心に、工場・倉庫などの事業所で活用を検討できる遮熱・省エネ関連の補助制度を調査しました。

※補助制度は予算到達などにより年度途中で受付を終了する場合があります。実際に申請する際は、必ず各自治体の最新情報をご確認ください。

そもそも遮熱シートに補助金は使える?

結論からいうと、自治体や補助制度によっては対象になります。
ただし、注意したいのが、
「省エネ設備の補助金だから、遮熱シートも自動的に対象になる」というわけではない
という点です。
例えば、高効率空調やLED照明など対象設備を限定している制度では、遮熱シートを施工しても補助対象にならない場合があります。
一方で、「遮熱シート」「遮熱工事」「断熱・遮熱工事」などを対象事業として明記している自治体もあります。
今回調査した中では、特に次の制度が注目です。

地域 補助金制度 遮熱との関係 2026年10月7日時点
東京都 ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業 遮熱シート対象確認 受付中
川崎市 中小企業成長環境支援補助金 遮熱シートを明記 受付中
千葉県 業務用設備等脱炭素化促進事業補助金 遮熱・断熱工事を明記 受付終了
相模原市 中小規模事業者省エネルギー設備等導入支援補助 省エネ設備等が対象 受付中
静岡県 中小企業等カーボンニュートラル促進事業費補助金 断熱設備を対象 受付終了

では、それぞれ詳しく見ていきます。

東京都|遮熱シートに使える大型省エネ助成金

東京都で工場や倉庫などの遮熱対策を検討している企業に注目してほしいのが、クール・ネット東京が実施する「ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業」です。

この制度は、東京都が「ゼロエミッション東京」の実現に向け、中小企業などの省エネルギー化を支援するものです。

対象となるのは、中小企業や学校法人、医療法人、社会福祉法人などで、東京都内で所有または使用する中小規模事業所に省エネ設備を導入する場合などに活用できます。

サンタイムズ編集部がクール・ネット東京へ確認したところ、一定の要件を満たす遮熱シートについても、この制度の助成対象として申請できることを確認しています。

ただし、遮熱シートを設置すれば一律に助成対象になるわけではなく、省エネ効果や制度上の設備要件などを満たす必要があります。

最大4,500万円の助成

この制度の大きな特徴が、助成額の大きさです。

2026年度は、省エネ効果や申請方法によって助成率・上限額が分かれています。

申請区分 助成率 助成上限額
年間CO₂排出量を更新前比28t-CO₂以上削減できる場合 3/4 4,500万円
省エネ診断等を受診し、3t-CO₂または30%以上削減できる場合 2/3 2,500万円
事業者自身で計画を作成し、3t-CO₂または30%以上削減できる場合 2/3 1,000万円

助成対象経費には、設計費・設備費・工事費が含まれます。

工場や倉庫など施工面積が広い建物では、遮熱シートの導入費用も大きくなりやすいため、条件を満たせば非常に有効な制度といえるでしょう。

遮熱シートは「省エネ効果」が重要

この助成制度では、省エネ設備の導入によってどれだけエネルギー使用量やCO₂排出量を削減できるかが重要になります。

対象となる省エネ設備は、「都内中小クレジット算定ガイドライン」の削減対策項目に該当することが基本要件です。

そのため、遮熱シートを検討する場合も、

・施工する建物の状況
・施工面積
・空調設備の使用状況
・施工前後の省エネ効果
・CO₂削減効果

などを確認しながら申請を進める必要があります。

特に大規模な工場・倉庫では、屋根から侵入する輻射熱を抑えることで空調負荷の軽減につながる可能性があるため、遮熱対策と省エネ対策をセットで検討することがポイントです。

2026年度は第5回・第6回申請が予定

2026年度は複数回に分けて申請受付が行われています。

2026年10月3日時点では第4回申請が終了していますが、今後、

第5回:2026年11月9日~11月20日

第6回:2027年1月18日~1月29日

の受付が予定されています。

なお、各回で予算を超える申請があった場合は、先着順ではなく抽選となります。

遮熱シートの導入を検討している東京都内の事業者は、施工会社への発注前に制度要件を確認し、早めに申請準備を進めておくとよいでしょう。

※本制度では交付決定前の工事契約に注意が必要です。クール・ネット東京は、交付決定通知書の交付後に工事契約を締結するよう案内しています。

神奈川県|川崎市では「遮熱シート」が補助対象として明記

今回調査した制度の中でも、遮熱シートを検討している企業にとって特に分かりやすいのが、川崎市の「中小企業成長環境支援補助金」です。
この補助金は、市内中小企業の生産性向上や人材確保・定着などを支援する制度です。
一見すると省エネ専用の補助金ではありませんが、「人材確保・定着支援」の中にある職場環境整備事業の対象例として、暑さ対策が含まれています。

川崎市の募集要領では、
作業場の安全衛生環境の改善や熱中症等への対策
として、空調設備の導入などと並び、「遮熱シートの設置」が具体例として記載されています。川崎市公式サイト
工場や倉庫で、
「夏場の室温上昇を抑えたい」
「従業員の熱中症対策を進めたい」
といった目的で遮熱シートを施工する場合には、確認しておきたい制度です。

川崎市中小企業成長環境支援補助金

人材確保・定着支援の補助率は原則として対象経費の2分の1以内で、各事業区分を合わせた補助上限額は100万円です。
なお、職場環境整備事業単体の上限額は50万円となっています。
一定の条件を満たす「特定事業」に該当する場合は、補助率が3分の2以内となる場合もあります。
2026年度のエントリーシート受付期間は、
2026年4月17日~10月30日
です。

ここがポイント
この制度の特徴は、遮熱シートを単純な「省エネ設備」としてではなく、
「従業員が働きやすい職場環境をつくるための暑さ・熱中症対策」
として位置付けている点です。
一方で、単なる設備更新や修繕、大規模な建築工事などは対象外となる場合があります。導入前に事業目的や工事内容が制度に合致するか確認しておきましょう。

千葉県|遮熱・断熱工事に最大1,000万円

補助額の大きさで注目したいのが、千葉県の「業務用設備等脱炭素化促進事業補助金」です。

2026年度の制度では、省エネルギー促進事業の対象として、
「遮熱・断熱工事の実施」が明記されています。
対象となるのは千葉県内で事業を行う中小事業者などです。
制度上は、屋根面・壁面・窓の断熱工事や遮熱工事が対象となっているため、工場や倉庫の屋根に行う遮熱対策についても検討しやすい制度となっています。

補助額が大きいのも特徴

2026年度の場合、省エネルギー診断を受けた事業者は、
補助率:対象経費の2分の1
補助上限:1,000万円

簡易自己診断の場合は、
補助率:4分の1
補助上限:500万円

となっていました。

大規模な工場や倉庫では遮熱施工面積も大きくなるため、こうした大型の補助制度は導入費用を考えるうえで大きなポイントになります。

ただし2026年度はすでに受付終了

注意したいのが、2026年度分は申請額が予算に達したため、2026年8月14日に受付を終了していることです。
千葉県は、次年度の実施については現時点では未定としています。

そのため、これから導入を検討する企業は、
「2027年度に同様の制度が実施されるか」を早めに確認しておくとよいでしょう。
2026年度は5月15日に受付を開始し、約3カ月で予算上限に達しています。制度が継続された場合は、募集開始後なるべく早く動くことも重要になりそうです。

神奈川県|相模原市の省エネ設備補助も要チェック

相模原市では、
「中小規模事業者省エネルギー設備等導入支援補助」を実施しています。

市内の事業所に省エネルギー設備や再生可能エネルギー設備を導入する中小規模事業者に、導入費用の一部を補助する制度です。

補助を受けるためには、相模原市へ「地球温暖化対策計画書」を提出するなど、一定の条件があります。

また、交付決定後に契約・発注・工事着手を行う必要があるため、補助金を使う予定であれば、施工会社と契約する前に制度を確認することが重要です。

遮熱シートについては事前確認がおすすめ

今回確認した相模原市の公式情報では、川崎市や千葉県のように「遮熱シート」や「遮熱工事」という言葉が対象設備として明記されているわけではありません。

そのため、
「遮熱シートを設置すれば必ず補助対象になる」
とは言えません。

実際に利用を検討する場合は、施工予定の遮熱シートや工法について、
省エネ効果を持つ設備・工事として補助対象になるか
を申請前に相模原市へ確認することをおすすめします。

静岡県|「断熱設備」を対象とした省エネ補助金も

静岡県では2026年度、「中小企業等カーボンニュートラル促進事業費補助金」を実施しました。

対象設備には高効率空調、LED照明、給湯設備、生産設備などに加えて、断熱窓・断熱材などの断熱設備が含まれていました。

2026年度から「脱炭素スタート応援枠」に断熱窓・断熱材が追加されています。
ただし、今回確認した範囲では「遮熱シート」そのものが対象設備として明記されているわけではありません。
そのため遮熱シートを導入する場合には、
断熱・省エネ設備として対象になるかを事前確認する必要があります。

また、2026年度の募集期間は4月15日~5月15日で、すでに受付を終了しています。静岡県公式ホームページ
今後同様の制度が実施される場合に備えて、2027年度の情報をチェックしておきたい制度です。

補助金を使って遮熱シートを導入する際の4つの注意点

遮熱シートが対象になりそうな補助金を見つけても、すぐに施工会社へ発注するのは注意が必要です。
特に確認しておきたいのが、次の4点です。

1.契約・工事前に申請が必要な制度が多い

補助金では、
交付決定前に契約・発注・着工した工事は対象外となるケースが多くあります。
相模原市や川崎市の制度でも、基本的に交付決定後に事業を実施する必要があります。
まず補助制度を確認し、その後に契約する順番を意識しましょう。

2.「遮熱」と「断熱」は制度上別扱いになる場合がある

遮熱と断熱は似ていますが、仕組みは異なります。
補助制度に「断熱材」と書いてあるからといって、すべての遮熱シートが対象になるとは限りません。
製品仕様や施工方法、省エネ効果などによって判断される可能性があります。

3.省エネ効果の証明が必要な場合がある

千葉県の制度では、省エネルギー診断などを行い、CO₂削減効果を確認することが要件となっていました。
補助金によっては、

施工面積
既存建物の状況
冷房使用量
削減できる電力量
CO₂削減量

などを求められる場合があります。
早い段階で施工会社と相談しておくと申請を進めやすくなります。

4.補助金は早期終了することがある

千葉県のように、申請期限より前に予算へ到達して募集を終了する制度もあります。

「来年の夏までに暑さ対策をしたい」と考えている場合でも、夏になってから補助金を探すのではなく、
前年の冬~春頃から情報収集を始めるのがおすすめです。

遮熱シートは「省エネ」と「暑さ対策」の両面から補助制度を探そう

今回調査した制度を見ると、遮熱シートに利用できる可能性のある補助金は、大きく2つの考え方に分かれています。

一つは千葉県のように、
省エネルギー・CO₂削減対策として遮熱工事を支援する制度。
もう一つは川崎市のように、
従業員の暑さ・熱中症対策など、職場環境改善として遮熱シートを支援する制度です。

そのため補助金を探す際には、「省エネ補助金」だけを検索するのではなく、
「熱中症対策」「職場環境改善」「省エネ改修」「断熱・遮熱」
といった制度も確認してみると、利用できる補助金が見つかる可能性があります。

遮熱シートにはどんな効果がある?

「そもそも遮熱シートを施工すると、工場や倉庫の暑さはどう変わるの?」
という方は、サンタイムズのこちらの記事もご覧ください。

遮熱と断熱の違いから、工場・倉庫に遮熱シートを施工するメリット、遮熱塗装との違いまで詳しく解説しています。現在の記事では、折板屋根向けの遮熱対策「スカイ工法」についても紹介しています。

工場・倉庫の暑さ対策は、従業員の安全確保だけでなく、空調負荷の軽減や省エネルギー化につながる可能性もあります。

遮熱対策を検討している企業様は、補助制度を上手に活用しながら、自社の建物に合った方法を検討してみてはいかがでしょうか。

※本記事は2026年10月3日時点の各自治体・公的機関の公開情報をもとに作成しています。補助対象設備、補助率、申請期間、予算残額などは変更される場合があります。実際の申請にあたっては、各制度の募集要領・公式サイトをご確認いただくか、各自治体へお問い合わせください。

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