
海に囲まれ、豊かな水産資源に恵まれてきた日本。しかし今、その環境は大きく変化しています。
国内の漁業・養殖業生産量は1984年をピークに減少傾向が続き、近年では最盛期の3分の1以下の水準となっています。
背景には、水産資源の減少や海洋環境の変化、漁業従事者の高齢化など、さまざまな課題があります。
こうした問題は日本だけではなく世界各地で深刻化しており、持続可能な食料供給の実現が求められています。
そんな中、新たな選択肢として注目を集めているのが「陸上養殖」です。
陸上養殖とは?── 海を休ませる、未来の選択肢。
陸上養殖とは、陸上に設置した水槽や施設で魚介類を育てる養殖方法です。
水温や水質、酸素濃度などを管理しながら生産できるため、天候や海洋環境の変化に左右されず、安定した生産が期待されています。
近年は持続可能な水産業の実現や食料供給の安定化に向けた取り組みとして注目を集めています。
この陸上養殖は、使用する用水の利用方法によって主に2つの方式に分類されます。
①「掛け流し方式」
近くの海から汲み上げた海水や地下水をそのまま水槽に流し込み、使い終わったら海へ戻す方式です。
水のリサイクルはしませんが、そのぶん設備がシンプルで扱いやすいという特徴があります。
いやすいという特徴があります。
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②「閉鎖循環式」
水槽の水を特別な装置でキレイにろ過し、水を何度も循環させて再利用する方式です。
水を外へほとんど流さないため、環境に優しいというメリットがあります。
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陸上養殖のメリットとデメリット
メリット
① 天候や海のトラブルに左右されない
近年、海水温の上昇や赤潮の頻発、大型台風の接近といった海洋環境の変化が深刻化しています。
こうした外部環境に左右されることなく、年間を通じて水産物を安定的・計画的に供給することができます。
② 食の安全性の向上
完全閉鎖型の環境を構築することにより、天然魚や海面養殖における大きな課題だった「寄生虫の侵入」を遮断することができます。
③ 漁業権の壁がないため、新しい水産ビジネスのチャンスが広がる
海を使わないため、「漁業権」の取得が必要ありません。
この仕組みによって、参入しやすい環境が整い、エネルギー企業や地方の民間企業など、異業種からの新規参入や投資を呼び込むきっかけとなっています。
④ 地産地消の推進
内陸部や消費地のすぐ近くで生産できるため、輸送にかかるCO2を抑えた「地産地消型」の新しいフードサプライチェーンを構築できます。
また、地域に新たな仕事を生み出すきっかけとしても期待されています。
デメリット
① 莫大な電気代
水をきれいに保つポンプや、水温を調整する空調を24時間365日ずっと動かし続けなければなりません。
そのため、昨今の電気代の値上がりもあり、膨大な電気代が大きな負担になっています。
② 初期費用の高さ
陸上養殖は、水槽やろ過設備などの環境をゼロから整える必要があります。
自然の海に頼らない分、あらゆる機材を自分で揃えなければならず、初期費用の高さが課題です。
③ 災害のリスク
落雷や地震による停電、機材トラブルなどでシステムが数時間停止しただけでも、水槽内の酸素不足や水質の悪化を引き起こしてしまいます。
最悪の場合、育てている魚が全滅してしまう危険と常に隣り合わせです。
陸上養殖最大の弱点「電気代」に立ち向かう!サンエーが仕掛けるコスト削減への挑戦
「コストが高いからできない」ではなく「テクノロジーで解決する」。サンエーの挑戦はすでに始まっています。
2025年に開始した神奈川県・神奈川大学との産学公連携によるエビの実証実験を原点に、現在は遊休施設を活用した「完全閉鎖循環型システム」での陸上養殖を展開し、養殖環境の最適解を見出す実証をさらに推進。
今後は自社の太陽光発電システムを組み合わせることで、陸上養殖最大の課題であるエネルギーコスト(電気代)を劇的に削減し、同時に脱炭素を叶えるクリーンなシステムの構築・外販を見据え、日本のエネルギー・食料自給率向上へ貢献すべく、挑戦を続けています。
【密着動画】サンエー最新!遊休施設を活用したクルマエビ陸上養殖の取り組みを紹介
放流中止のトラブル発生!? 新章が幕を開けたクルマエビ陸上養殖プロジェクトに密着した動画はこちら!
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