
業種:製造業
所在地:神奈川県
設置場所:屋根
設置枚数:68枚
設置容量:31.28kW
今回は横浜伸銅株式会社、代表取締役社長 権田有紀子様と取締役営業部長 森浩二様にインタビューのご協力をいただきました。
御社の事業と、太陽光発電を導入したキッカケについて教えてください
当社は横浜伸銅と申しまして、非鉄金属の卸売業者でございます。昨今の情勢を鑑みて、再生可能エネルギーの導入を進めたいという考えがありました。脱炭素への取り組みは今後いっそう求められるため、太陽光発電によるクリーンエネルギーの活用を進めるべきだと判断し、今回導入しました。
弊社を知った経緯と、弊社を選んだ決め手について教えてください
銀行さんからサンエー様をご紹介いただきました。太陽光発電の導入にあたっては複数社に相見積もりを取り、各社からシミュレーションもいただきました。御社のご提案は、償却・回収年数の見込みが良かったこと、補助金申請などのご対応が親身だったことが大きなポイントでした。
一方で他社さんは回収年数がやや長めで、初期価格も少し高めという印象でした。御社は、フルで載せる案・約半分の規模の案など複数パターンを示し、「当社の使用分に合う規模ならこのパターンはどうか」といった自家消費前提の提案をしてくださったのが合致しました。他社さんは「とりあえず全部載せて、余ったら売電すればよい」といったような提案が中心で、当社がやりたい形態とは合わないと感じ、総合的に御社にお願いすることに決めました。

載せられるだけ載せる提案ではなく、お客様の使用分に合わせベストな枚数を提案する点を評価いただきました。
「昨今の情勢を鑑みて」―脱炭素の時流を読んでの導入だ。
年々、コスト面だけでなく脱炭素経営の一環としての太陽光発電の導入は増えてきている。
営業対応や工事(設置)について、良かった点や改善点があればお聞かせください
特に問題はありませんでした。ご提案も適切で、各種申請も一括で対応していただき、大変助かりました。
電気代が最も高かった時期の月額・年額の目安はありますか?また、その時期と比べて現在はどの程度下がりましたか
現在は設置当初と比べ最低料金(基本料金)が引き上げられた影響で、総額としては上がっている面がありますが、太陽光発電を導入してなかった場合はより高額になっている状況です。そのため単純比較が難しい状況ですが、電力費についてはおおよそ3分の1程度の低減になっている見込みです。
一番電力消費の多い機械を教えてください
直近では現場のエアコンが圧倒的に電力を消費しています。切断機はモーター駆動のみで消費電力は大きくありません。当社の機械は基本的にモーターが動いているだけで、モーター以外に大きく電力を使う機器は多くありません。
季節要因の影響が大きく、夏場や冬場はエアコン使用で消費が特に増加します。また、今年は厚生労働省から熱中症対策の義務化といった発表に伴い、職場改善の点でエアコンの新設も行いましたので、製造現場のエアコンが最も電力消費の大きい要因といえます。
太陽光発電の第一印象について教えてください
私どもの業界とも接点が多く、立ち上がりの頃は盛り上がりのある業界だという印象でした。ただ、初期の頃は発電効率があまり良くなく、どちらかというと家庭向けが先かな、というのが最初の感触でした。実際、当時は機器自体もかなり高価な印象があり、様子見をしていた時期は長かったです。
太陽光発電の性能はここ近年で技術の進歩に伴い、飛躍的に高くなりました。
更に、太陽光パネルの価格自体も下がっており、10年前に検討した方が再検討するとその能力と価格に驚かれる方が多いです。
社内では、太陽光発電の導入に至るまでどのような議論・経緯がありましたか
当初は建物の竣工と同時に設置する方針でしたが、計画が思うように進まず、実際にどの程度の電力量を使うかが不明だったため、まずは1年間データを取って様子を見ることにしました。その結果を踏まえ、太陽光発電は有効だという手応えを得ました。もともと導入の意向はありましたが、データで検討したうえで、まずは事務所のみの導入が適切という結論になりました。
太陽光パネルを設置するにあたって、当初心配だったことや、工事中に不安・大変だったことは何でしたか
最初は耐久性が心配でした。また、シミュレーションどおりに発電できるのかという点も不安に思っていました。工事中は連系作業で一時停電が必要になり、社内のサーバーを停止しなければならなかったことも懸念でした。最終的には支障なく完了しました。耐久性についてもご説明をいただき、納得ができました。
太陽光発電を導入したことで、社内ではどのような考えや行動の変化がありましたか
現場の従業員の満足度が上がったことが大きな変化です。会社として環境に配慮した取り組みを進めているという実感が共有され、「そういうPRができる会社で働いている」という意識が従業員側にも芽生えました。
対外的には、金融機関との対話や取引先への説明でプラスに働いています。年に1回、SDGsや環境配慮に関するアンケートが送られて来る取引先もあり、BCPの取り組みや太陽光発電導入を具体的に記載できるようになりました。現時点で強制力はそれほど強くないものの、サプライチェーン全体での情報開示が進んでおり、各社が動き始めているのは確かだと感じています。
総じて、電気代削減・クリーンエネルギー導入という目的に加え、環境PRの強化や取引先アンケートへの確実な回答が可能になった点は、導入効果として大きいと考えています。
御社の業界にとって、太陽光発電はどのような点でおすすめだとお考えですか
製造業は電気を使う設備が一般的に多く、環境配慮の面でもコスト面でもメリットがある設備だと感じています。電気代の削減を目的にしても、同時に環境配慮(脱炭素)をプラスできるのは、電力使用が大きい業界ならではの利点です。
また、地域ごとの排出量規制や報告への対応という観点でも、今後全国的に要請が強まれば有効な対策になります。企業としての環境配慮は単なる「きれいごと」ではなく、炭素税等のコスト影響も議論されており、取り組むメリットは大きいと考えます。
特に再エネの中でも太陽光は導入のハードルが低い点が強みです。水力や風力は立地・設備要件が厳しい一方、太陽光は建物と屋根があれば設置しやすい。最近は薄型モジュールもあり、将来的には壁面設置など選択肢が広がることも期待できます。総じて、太陽光発電の設置は製造業が現実的に取り組みやすい施策の一つだと思います。
脱炭素経営を「きれいごと」で終わらせない。
横浜伸銅様は、太陽光発電の導入の対外的なメリットを最大限に生かされている印象でした。
太陽光発電を他社に推薦する意向等はございますか
取引先から「導入を検討している」と相談があれば、良い設備だとお伝えすると思います。ただ、初期投資が大きいため、補助金がないと中小企業では負担が重いケースもあります。銀行からの紹介も、多くは補助金の活用を前提にしている印象です。
また、最近は熱中症対策で空調導入が義務化される流れもあり、電力使用増への対策として太陽光を併設するニーズが増えています。他社や自社でも消防法等の観点で工場屋根に載せられない場合もあり、将来的に貼付型・薄型の太陽電池がさらに普及すれば、屋根以外(壁面など)での導入も現実的になり、こうした制約のある工場でも取り組みやすくなるのではと期待しています。
地域社会や社会全体への貢献として取り組んでいることはありますか
はい。まず、大規模災害時の対応として、横浜市への申請内容に基づき、帰宅困難時は一時的に会社に留まる運用を整えています。また、私自身がスポーツ推進を担っており、従業員の健康づくり(運動機会の提供)に取り組んでいます。いわゆる健康経営の一環です。さらに、他社との連携で共同の健康・交流施策にも参加しています。
横浜伸銅株式会社様の今後の事業展開についてお聞かせください
当社は非鉄金属を扱っており、いわゆるB to Cではないため目立ちはしませんが、“縁の下の力持ち”として社会を支える役割が多いと考えています。具体的には、充電関係で発電所・変電所に使われる部材、半導体関係でPCやスマートフォン内部の装置をつくる設備向けの部材、そして自動車分野で使われる部材など、見えないところで皆さまの生活を支える一端を担っています。
この「見えないところを支える」という気持ちを忘れず、事業を続けていきたいと思います。また中小企業としてお客様とのつながりを大切にし、相互に助け合える関係づくりを重視しています。一方だけが得をする関係は健全ではなく、市場の長期的な成長を妨げる可能性があるため、長期視点での信頼関係を大切にします。
分野別の見立てとしては、EV化による影響はポジティブで、当社が扱う材料の使用量は増える見込みです。ただし、どの国で生産するか(各国の政策・関税)によってサプライチェーンや価格に影響が出るため注視しています。充電設備などインフラが整えば需要は広がると見ています。こうした条件下で、ものづくりをどこで・どう進めるのが最適かを検討しながら、社会に貢献できる供給を続けていきたいと思っています。
編集後記
今回権田社長のお話を伺って印象的だったのは、太陽光発電を導入したことを単なる「電力コスト対策」だけでなく「取引先への説明責任」「従業員が誇れる会社づくり」までを一体で捉えておられる点でした。見えないところで社会を支える事業に、見えるかたちの環境対応を重ねる発想は、今後の製造業の一つのロールモデルになり得ると感じました。