有限会社井定工務店様 地域と人に寄り添う型枠工事業に取材


業種:建設業(工務店)
所在地:神奈川県横浜市戸塚区

まちを支える仕事、ひとを育てる会社・井定工務店の“関わり方”に触れて

戸塚の住宅街を抜けると、井定工務店の職人たちの声が静かに響いてきます。
建物をつくる企業は、働く人や地域にもまた、目を向けています―今回の取材で、そんな同社の姿勢が見えてきました。

井定工務店様とは、どういった会社なのか

―井定工務店様の事業について教えていただけますでしょうか。

当社は型枠工事業を営んでおります。主にマンションをはじめ、RC(鉄筋コンクリート)造の建物全般―たとえば学校などの公共施設も含めての型枠施工を幅広く手がけています。

有限会社井定工務店 井上定暢社長

「特別な企業理念を持たない」ことが同社の特徴の一つであると語る井上社長。
今回は本事業に関するや太陽光発電の導入の背景だけでなく、井定工務店様ならではの取り組みや、未来への取り組みについて語ってもらいました。

健康経営に取り組むようになった背景

―健康経営に力を入れているとお聞きしました。背景にはどんな理由があったのでしょうか。

健康経営に取り組み始めたきっかけは、法人会で耳にした制度の話でした。健康経営の認定を受けると銀行融資の金利優遇が受けられることを知り、「まずはやってみよう」と思ったのがスタートです。

事業を進めるうえで資金調達は欠かせません。金利が下がれば、その分だけ経営が安定しやすくなります。そういった“経営上の利点”が最初の動機でした。

そこから横浜市の認定を取得し、現在は県の認定にも取り組んでいます。取り組み自体は特別なイベントを行っているわけではなく、毎年の健康診断を徹底したり、受診をためらう社員には声掛けを行ったりと、小さな積み重ねが中心です。最近は体重管理などの生活習慣に関する注意喚起も行っています。

喜怒哀楽を共有できる関係性を大切に

―社内交流として、忘年会や新年会なども積極的に開催されていますね。大切にしている社風や関係性はありますか?
社内の関係性は、「仲良し」であるだけでは不十分だと考えています。喜びも衝突も含めて共有し、互いに納得したうえで仕事に向き合える関係が理想だといいます。

時には現場で意見がぶつかることもありますが、議論を避けずに言葉を交わすことで信頼が積み上がり、結果として良い仕事につながっていきます。忘年会や新年会は、そうした関係性の土台づくりに役立っているとのことです。普段接点が少ないメンバー同士が自然と会話を交わせる場になることを大切にしています。

かながわSDGsパートナーズとしても認定を受けている同社は、誰一人取り残さない社内環境づくりに努めている

喜怒哀楽を共有する。仲良くするだけでなく、時には衝突も許容。
そんな組織が現場を舞台として創っていくという。

大切なのは、スタッフとの絶妙な距離感

―スタッフとの距離感について、意識していること

特定の人にだけ近づきすぎると、不公平感につながってしまうと考えています。井定工務店では、社員だけでなく協力会社やフリーの職人も一緒に働いており、誰かだけを個別に食事へ誘うと、どうしても偏っているように見えてしまう可能性があります。

そのため、役職者以外とは個別での会食は行わず、現場での細かなコミュニケーションは、信頼して任せている管理職が中心になって対応しています。

ただし、ただ距離を取るだけではなく、誰もが自然に関われる機会は必ず用意しています。安全衛生大会や社内行事、若手が主体となれるサークルづくりなど、参加しやすい“場の仕掛け”をつくることを意識しています。実際に釣りサークルは活発で、週に一度集まるほど盛り上がっています。




こちらのカーポートの上に太陽光パネルが設置されており、敷地の有効活用にもつながっている


今回、導入したソーラーカーポートとV2H機器は企業としての環境配慮だけでなく、EVを使用する社員にも役立っている

地域の祭りを「文化」としてつなげていく

―地域に対しても積極的な関わりをされていますが、戸塚という街にどんな思いを持っていますか?

戸塚まつりや桜まつりには、毎年ボランティアとして参加しています。もともとは“行く側”で楽しむ立場でしたが、実際に運営に関わってみると、人手不足や資金面の難しさなど、開催を支えるためのさまざまな課題が見えてきました。

地域の祭りは、ただのイベントではなく、その土地に根づく「文化」だと感じています。だからこそ、できる限り継続して支えていきたいという思いが強くなりました。

戸塚は派手な観光資源がある街ではありませんが、駅と川が近いという特徴があります。この特性を活かし、将来的には川沿いを舞台にした、人が集い楽しめる行事を育てていけたらと考えています。たとえば、京都・鴨川のように、人が自然と集まり、地域の魅力として愛される景色をつくれたら理想です。




地域の祭りやイベントを「文化」として次世代につないでいきたいという想いが社長の言葉として表現されていました

編集後記

井定工務店のEV導入から始まった自家消費は、ソーラーカーポートやV2Hと組み合わせることで、社員自身がコストを管理する取り組みに発展していました。その背景には、特別な理念を掲げることよりも、日々の喜怒哀楽を共有できる関係づくりがあります。建物をつくる企業が、人との距離や地域との関わり方を丁寧に育てている―その姿勢が、戸塚という街の未来にも静かに輪郭を描き始めているように感じました。

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