【TEDxMiuraスピーカー・清水ハン栄治様 特別インタビュー】 幸せとは何なのか?TED総決算!5回目の登壇で明かす『幸せの探求』

映画監督・プロデューサーとして国内外で活躍する清水ハン栄治さんにインタビューしました。
清水さんは、世界の映画祭で多数の賞を受賞した『トゥルーノース』をはじめ、数々の作品を手掛け、国内外で高い評価を受けているクリエイターです。
これまでTEDに4回登壇し、今回のTEDxMiuraで5回目の登壇を迎えます。
55歳を迎え、最後の登壇と考える中で、これまでの人生を振り返るだけではなく、誰かの役に立つ話をしたいと考えた清水さん。
これまでの人生で培ってきた「幸せの探求」について、そしてTEDxMiuraで伝えたいメッセージについてお話を伺いました。

清水さんのこれまでのご経歴と、現在のお仕事とは?

仕事はですね、その質問が一番困るんです。要は、映画を作っています。
面白いもので、情熱を注げることと、お金が回ることが一致する人もいれば、一致しない人もいるんですよね。
僕には生活を支えるためのビジネスもありますから、仕事は何ですか?と聞かれたら、気持ちの部分では映画なんです。
生活を成り立たせるためのビジネスとして、現在インドネシアで宿泊業をやっています。
だから僕には2つの柱がある状態です。
映画監督になったきっかけは、小さい頃から映画が好きだったんです。
映画監督になりたいと思っていたんですが、僕の場合はかなり遠回りをしてしまいました。
映画なんてふわふわした仕事じゃなくて、ちゃんとした仕事に就きなさいという世間や親からのプレッシャーもあって、結局はサラリーマンの道を選びました。
そこにたどり着くために、いい学校へ進学したり、学位を取得したり、僕なりにかなり努力しました。
そして、いい仕事に就き、給料も良い会社で働くことができましが、どこか充実感が足りなかったんです。
人生のすごろくでいうと、これで上がりという場所まで来たような、どこかぽっかりと空白があるような感覚だったんです。
35歳だったのですが、自分の人生を見つめ直した時にやっぱりアートの世界をやりたいと思ったんです。
そこから方向転換をして会社に辞表を出し、アメリカへ行くことに決めました。
当時、アメリカで映画制作に携わっていた友人たちがいて、その仲間に加わったことが第二の人生のスタートになりました。

幸せとは何なのか?マインドフルネスとの出会い

アメリカへ渡って、そこで友人と一緒に作ったのが、ドキュメンタリー映画です。
そのテーマは、「幸せとは何なのか」を探ることでした。
友人と一緒にカメラを持って世界中を巡り、2年半をかけて幸せとは何なのかを探るドキュメンタリー映画を制作しました。
そもそも私自身、日本で幸せとは何かという壁にぶち当たっていました。
世界中のさまざまな人たちの幸せの形を見ていく中で、共通する大事なものがあると感じるようになりました。
お金はもちろん大事ですが、それ以外にも欠かせないポイントがあることが分かりました。
映画のプロジェクトには約6年かかり、完成した後、自分にとっての幸せとは何なのか?と考えるようになったんです。
今取り組んでいることにすごくつながってくるのですが、その中の一つとして、幸せな人というのは心の軸というか、揺るぎないベースをしっかり持っているという点があったのです。
脳科学や心理学の先生方とずっと一緒に旅をしている中で、いわゆるマインドフルネスというのは、幸せのベースの一つなんだなという考えにたどり着いたんです。
これは自分も実践しなければいけないなと思い、撮影期間中も世界中のいろいろな場所に行き、幸せの話を聞くのと同時に、マインドフルネスのテクニックを学んでいきました。

TEDとの出会い

もともとTEDのファンだったんです。
TEDは、世界中の質の高い知見が、10〜11分ほどの短いフォーマットに凝縮されていて、まるでサプリメントのように人生に必要なエッセンスがコンパクトに詰まっているんです。
サラリーマン時代、通勤中にTEDを聴きまくっていました。
その後、日本で初期に開催されたTEDxの主催者からお声がけいただいて、登壇させていただきました。
その後は東京やニューヨークでも登壇し、今回のTEDxMiuraで5回目になります。

なぜ『トゥルーノース』にTEDを描いたのか

『トゥルーノース』は、北朝鮮の強制収容所をテーマにしたアニメーション映画です。
冒頭のTEDの場面は、僕自身がTEDの大ファンだという理由もありますが、ストーリーを考えていく中で、世の中に公に認知されるっていうシーンを作りたかったんです。
認知の場として国会や、国会や国連でスピーチも考えましたが、それだと官僚的なプロセスを何度もクリアしなければなりません。
そうなると、物語の展開としてちょっと描きにくい部分がありました。
でもTEDだったら、登壇するのは簡単じゃないにしても、その分野で実績を積み重ねていけば、登壇できるチャンスがあります。
それにTEDってファンが多いから、あのTEDがアニメになったんだ!みたいな感じになればいいなという狙いもありました。

朝本さんとの出会い、TEDxMiuraへの登壇が決まるまで

千可さん(朝本さん)と呼んでいるんですけど、以前僕がバリ島に住んでいた頃からの付き合いです。
千可さんが力を入れて活動されていたので、彼女の挑戦をぜひ応援したいと思い今回参加させていただきました。
三浦へ初めて足を運んだきっかけは、千可さんと僕の共通の友達で、バリ島時代からの友人が日本に来た時に、遊びに行くことになったんです。
その時に三浦の夏祭りに参加して、すごくいいコミュニティだなと思ったんです。
こじんまりとしていて、でも他のエリアほどメジャーになりすぎていないのが、良い意味でも悪い意味でも味になっていて面白い場所だと思いました
だから、そういう意味では穴場って面白いんですよね。
人気スポットになってしまったら、もう穴場とは言えないじゃないですか。
三浦はすごく質が高いけれど、まだそこまで知られていないというところが逆に魅力なんだと思います。

人生のドン底こそ、物語の「おいしい場面」

5回も登壇させていただくと、話すテーマにも限りがありますし、もちろんまたお声がけいただければ別ですけど、自分の中ではこれが最後だなという気持ちでいるんです。
僕も55歳で最後の登壇だと考えたとき、ここまでの人生の総決算のような話をしたいと思ったんです。
でも、ただ個人的な総決算の話だけではおじさんが説教しているみたいなので、自分の人生を振り返るだけではなく誰かの役に立つ話をするのであれば、一つの軸が必要だと思ったんです。
そこで思い至ったのが、これまで続けてきた幸せの探求です。
マインドフルネスだったり良いコミュニティを持っているかとか、いろいろなポイントがあって、その中でも大きな要素が優しい心なんです。
英語では「コンパッション(Compassion)」と表現されますが、データを見てもこのコンパッションが高い人ほど幸福度が高いということが分かっています。
そこで、コンパッションを追求していく人間になりましょうということで、これまでいろいろなプロジェクトをやってきました。
そうしたことについて、実体験をベースにお話ししたいと考えています。
僕は伝記漫画をやっていたから、偉人の伝記を読みまくっていたんです。
一つ分かったのが、偉人はなぜ偉人なのかというと、問題もあまり起こらない「イージーライフ」を送った人はいないんですよ。
それは素晴らしい人生だと思うんですけど、偉人やヒーローにはならないですよね。
歴史に残る偉人は必ず、人生の途中で大問題にぶつかって、ガツンと落ちる。
そこから、それまで培ってきた知恵とか優しさとかスキルを出して、ガツンと上がっていくんです。
これこそが、ストーリーとして最もおいしい部分なんです。
僕の人生の中でも、結構いろいろピンチがあったんですよ。
でも、自分の人生をRPGみたいに客観視して、「300ページの伝記の168ページ目(一番おいしいドン底の場面)だな」と捉えるんです。
自分はこういうスキルを持っているんだろうと考えて、そこで使える武器を探すんですよね。
自分を客観的に見ると、楽なんです。

私が考える『未来の当たり前』とは

宗教によっていろいろ違ったりしますが、昔の人が「神」と呼んでいたものが一般の人にも認識されて、当たり前になってくるんじゃないかと思っています。
今の当たり前は、俺一人でうまいものを食って幸せになればいいみたいな感じですけど、それもすべて必然としてプログラミングされている中を僕らが一生懸命頑張っているような感じなんです。
でも、その感覚をもっとビビッドに、世界中のみんなが共有してくるとどんな世界が生まれてくるのか、そういうのをすごく期待しつつ、それが未来の当たり前になるといいな、という感じです。
そうすると、もっといい世界に近づいていくんじゃないかなと思います。
僕も幸せのことを研究していた時にいろいろなところに行ったので、ヒンズー教やイスラム教、仏教、キリスト教など、宗教だけではなく哲学とかいろいろ勉強しなくてはいけなかったんです。
そうすると、みんな同じことを言っているんじゃないか、という感覚になってきて。
でも、みんな違う言語とか表現で言っているから、ずれて争いが生まれたんですよ。
日本の宗教に関係ない人だったらお天道様みたいな、みんななんとなくいや、これのことだよねっていう感覚があるんです。
そこの部分の、いや、これのことですよということがみんな分かってくると思うんです。
実は、それが僕の次の作品のテーマなんです。

TEDxMiuraスピーカー 石橋英樹さんからのSpecial Question!

環境問題をテーマにした映画については、どのように考えていますでしょうか?

僕の映画は、そこをめちゃくちゃ入れているんですよ。まさにドンピシャのところで。
環境というと、山があって木があってというところに限定するじゃないですか。
海がきれいとか、そういうのも環境と言いますよね。
でも、今さっき話していたことが環境なんですよ。
一番目に見えて感じる部分は、緑が生い茂っているとか、きれいな海とか、そういうものになるんだけど、結局、環境って自分というこの個体があって、僕の場合だと80kgのこの個体があって、これをすごく拡張したものが環境なんです。
この個体を離れて、関係性であったり、隣の人とか家族とか、そういうものも含めてすべてが環境なんです。
たぶん石橋さんは、海がきれいとか、緑が生い茂っているとか、二酸化炭素が出るとか、そういう環境の話だと思うんですけど、僕はそれも素晴らしいしそれを守っていく作品にはなっているんです。
まさにその観点で、次回の長編アニメーションを立ち上げています。
環境問題を映画という表現を通して、どのように伝えられるかということですが、僕が伝えたいのは、環境を守ることが義務のような感じで伝わっているものとは違うんです。
メディアなどでは我慢して汗をかいて、一生懸命ペットボトルの包装を剥がしましょうとか、そういう伝え方が多いんじゃないかと思います。
でも僕が伝えたいのは、結局すべてのものがつながっているということです。
それを感じてもらえるようなアプローチで伝えていきたい。
ペットボトルの剥がし方を教えるんじゃなくて、その前に
結局、みんなつながっているんじゃないか。つながっているものは破壊できないでしょ?
という、そういったアプローチで話を伝えていきたいと思っています。

TEDxMiura 開催概要

2026年9月27日、三浦市で初となる TEDxMiura を開催!

この度、株式会社サンエーは、「TEDxMiura」においてゴールドパートナーとして協賛いたしました。

DATE:2026年9月27日(日)
VENUE:三浦市民ホール(海に最も近いTEDx会場の一つ)
CONTENT:スピーカー6名のトーク 参加者交流会 TEDx公式YouTube配信
公式HP:tedxmiura.studio.site


TEDxMiuraについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
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